E.B.ゼックミスタ・J.E.ジョンソン (訳/宮元博章 他) 『クリティカルシンキング 入門編 : あなたの思考をガイドする40の原則』 北大路書房 1996年発行

 大学教員になりたての頃に参加した研修会で、初めて耳にした「クリティカルシンキング」という言葉。直訳すると批判的思考ですが、本書では適切な規準や根拠に基づく、論理的で、偏りのない思考と定義しています。世の中に溢れている情報を鵜呑みにすることはありませんか。その情報の根拠は何か、原因は何か、そういったことを考える「態度」を身につけさせてくれる本です。本書は、日常における事象をテーマにした構成がされているので、読みやすいです。是非ご一読をお勧めします。

(リハビリテーション学部 冨山直輝)

山崎豊子 『大地の子』1~4巻 文春文庫 1994年発行

~ありのままの現代中国が見える本~

 大学時代に読んで衝撃を受けた作品の一つです。NHKでドラマ化もされ、話題になりました。日本人である主人公の迫害と苦闘、養父との親子愛、別れた肉親との再会などが描かれています。また、この作品は著者の緻密な取材が元になっている事実に近いフィクションであり、登場人物も当時存命の人は分かりやすい仮名になっています。
 日中戦争から新中国成立、文化大革命、日中国交回復、中国共産党の権力闘争といった現代中国史に対する理解が深まる一冊です。

(経営学部 日下部直美)

近藤麻理恵 『人生がときめく片づけの魔法』 サンマーク出版 2010年発行

 この本との出会いは、四六時中読書をしている父親が何気なく居間に置いていたことからでした。今思えば、だらしない私への無言の忠告だったのかもしれません。現在著者がNetflixで全米の人たちを虜にしている所以は、この本が巷にあふれる物理的な断捨離術だけでなく、それにまつわる記憶や思いまでも整理出来ることに気付かされることです。私は片づけが済んだ部屋で、白紙になったような気分で、過去からの自分に捉われず、自身の今やるべきことを見つめる事が出来るようになりました。そしてアメリカ留学を決断したのでした。

(リハビリテーション学部 竹内佳子)

マイケル・E.ポーター (訳/土岐坤 他)『競争の戦略 新訂版』 ダイヤモンド社 1995年発行

 「競争の戦略」に出会ったのは、社会人になってからであるが、書店で出会い即購入し、一気に読み終えた記憶がある。競争企業、新規参入者、代替品、売り手、買い手のファイブ・フォースを分析し、戦略をコストリーダーシップか差別化の2つから選択し、必要であれば集中化を付加し、競争戦略を立案する理論である。経営戦略論の枠組みが頭の中に構築されたような気がした。 

(経営学部 秋山健太郎)

サン=テグジュペリ 『星の王子さま』 新潮文庫 2006年発行 ほか

 世界的ベストセラーですので、子供の頃に読んだという人もいると思います。「いちばんたいせつなことは、目に見えない」という言葉が特に有名です。
 一方、「当たり前のことしか書いてない」と評する声もあります。実際、大人への厳しい言葉は、大人を矮小化したその産物にも見えますし、また、幾つもの言葉が心に沁みるのも、物語が醸し出す幻想的な雰囲気の効果ゆえなのかも知れません。
 それでも、自分の経験から言って、この本には一定の価値があると思っています。なぜなら、この本は、「で、一番大切なことって何?」と自ら問うという、必ずしも当たり前ではないことを、読者に――あるいは一部の読者に――促してくれるからです。

(リハビリテーション学部 岸貴介)

渡辺健介 『世界一やさしい問題解決の授業』 ダイヤモンド社 2007年発行

~問題を難しく考えず解決に導く方法を教えてくれる本~

 問題を抱え、それをどう解決すれば良いか悩んでいませんか?漠然としたままの状態ではなかなか解決できない問題でも、細かくその原因を分解したり、データを分析してみたりすることで、どうすれば解決できるかが明確にわかるものです。この本には、そうした問題を解決するための考え方が視覚的に解りやすく上手くまとめられています。活字に慣れていない学生にとっても、問題解決の手法をやさしく学べる一冊だと思います。

(経営学部 北田友治)

シモーヌ・ド・ボーヴォワール(訳/「第二の性」を原文で読み直す会)『第二の性 決定版』全3巻 新潮文庫 2001年発行

 ~人は女に生まれるのではない、女になるのだ~

 我々の世代の女性にとって、教育は「女性教育」であった。家庭や「世間」は勿論のこと、「平等」や「自由」や「主体性」を育成するはずの学校教育においてすら、ジェンダー形成の一翼を担う隠れたカリキュラムが存在し、さりげなく性差意識を植え付けてきた。
 そのような現状に違和感を募らせていた私にとって本書は、福音のごときものであった。感覚が「理論」を獲得したのである。女性が自律的・自立的に生きることの正当性の証左を獲得したのである。
 本書の主張を要約すると、次のようになる。従来「女性の特質」とされたものは歴史や社会によって作られたものであるとし、男性本位の女性観の打破と、男女の平等を主張する。 そしてこの主張はケイト・ミレットやベティ・フリーダン達の、第二波フェミニズム運動へと受け継がれるのである。

(経営学部 赤岡美津子)

スティーヴン・R.コヴィー 『7つの習慣』 キングベアー出版 1996年発行

 「7つの習慣」は人格を磨くための基本的原則を具体的なかたちにしたものである。社会人になって、尊敬していた同僚に、どうしたらその同僚のようになれるのか相談した際にこの本を紹介された。
 この本に記載されていることの全てを完璧に実行することは難しいかもしれないが、できることから行うことで確実に成長できると確信している。私はこの本に出会えたからこそ今の自分があると思っており、ぜひ多くの人に読んでもらいたい。

(リハビリテーション学部 窪優太)

立花隆・利根川進 『精神と物質-分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか』 文藝春秋 1990年発行

 1987年にノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進さんに立花隆さんがインタビューを行い、利根川さんがアメリカの大学に留学した時の話から、ノーベル賞を取った研究について述べられています。研究内容ももちろんですが、アメリカでの研究生活や分子生物学のトップを走る研究がいかにしのぎを削っているか、そのスピード感が伝わってきます。また基礎研究の中でも人とのネットワークが重要であることが書かれています。難しい研究に関する言葉には、注釈がついており、若い頃、読書が苦手であった私でもすんなりと読むことができました。真を突き止めるという学問の本質が書かれた名著と思います。
 留学をしたいと思っていた私の研究留学への一歩の背中を押してくれた一冊です。

(リハビリテーション学部 太田進)

白洲次郎 『プリンシプルのない日本』 新潮文庫 2006年発行

~ブレない自分を目指す!結果としてイノベーションに繋がる~

 著者は英国留学で紳士道を身に着け、日本の敗戦を見越し農業をするが、1945年、吉田茂の側近(参与)となり日本国憲法成立に関与。のちに貿易庁長官を経て通商産業省を誕生させた。その後は東北電力会長などを務めたが、政界を早々に退き、田舎で農業しつつ余生を送る。私にとっては、第二次世界大戦後の歴史を学ぶ一冊でもあり、原理・原則、主義・主張を持って行動に移すことの大切さを学びました。次世代を担う学生達にお勧めの一冊です。                 

(経営学部 北野達也)